心エコーによる輸液反応性予測と輸液必要性のマネージメント

心エコーによる輸液反応性予測と輸液必要性のマネージメント

Using echocardiography to predict fluid-responsiveness and manage the need for fluids

  •  Intensive Care Med. 2024 May 15. 
  • doi: 10.1007/s00134-024-07407-6.
  • PMID: 38748267.

輸液反応性、輸液必要性は違うものとして考えなければなりませんが、心エコーは体液管理をする上で輸液反応性がありそう/なさそう、という患者を見分ける非常に有用なツールです。もちろん心エコーが全てではないので補助ツールとして使用します。

目次

輸液反応性がなさそうな状況

  • severe RVD(moderateからでも輸液が有害である可能性があるが閾値は不明。ただVital次第では少量入れて反応見る(ダラダラたくさん輸液せず生食100-250ml bolusなどfluid challenge)のは悪くないと思っています)
  • IVC>25-27mm
  • EF低下を伴うE/A>1.8, E/e’>15
  • Grade 3以上のMR/AR

輸液反応性がありそう状況

  • kissing LV、拡張期左室容積< 5 cm2/m2
  • 呼気IVC直径<10mm
  • 人工呼吸器管理中で自発呼吸がない場合に測定したSVC直径の変動>31%(TEEが必要)

輸液反応性があるかどうか不明だがあるかも、という状況

  • 人工呼吸器管理中で自発呼吸がない場合に測定したSVC直径の変動<31%だがmildに変動はあり(TEEが必要)
  • 人工呼吸器管理中で自発呼吸がない場合に測定した、一回換気中における大動脈Vmaxの10%以上の変動
  • Passive leg raising(PLR)開始1分以内にVTIが10%増加(腹腔内圧が高い場合がlimitaiton)

まとまったfigureはこちらになります。

ACP Acute cor pulmonale, AR aortic regurgitation, ARDS acute respiratory distress syndrome, AS aortic stenosis, Dmax maximal diameter at end-expiration, Dmin minimal diameter at end-inspiration, EDA end-diastolic area, IMV invasive mechanical ventilation, IVC inferior vena cava, LV left ventricle, MR mitral regurgitation, RV right ventricle, SAM systolic anterior motion of mitral leaflet, SB spontaneous breathing, SVC superior vena cava, TEE transesophageal echocardiography, TTE transthoracic echocardiography, Vt tidal volume, VTI velocity time integral, Vmax maximal velocity at end-inspiration, Vmean mean velocity, Vmin minimal velocity at end-expiration

まとめ

冒頭でも述べましたが、エコーは補助的ツールですが、非侵襲的で非常に有用なツールです。ぜひ活用して行きましょう。

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