集中治療患者のエネルギーとタンパク質量について

集中治療患者のエネルギーと タンパク質量について

Rethinking Energy and Protein Provision for Critically Ill Patients

  • Intensive Care Med (2024). 
  • https://doi.org/10.1007/s00134-024-07726-8

ICU患者におけるエネルギー量、タンパク量の推奨がICMから出ていますので共有します。

目次

エネルギーとタンパク質量の推奨

具体的な推奨事項を示す。

  1. 1~4日目:
    初期では、5~10 kcal/kgおよび0.2~0.6 g/kgのタンパク質の摂取を推奨。
  2. 5~7日目:
    安定した患者または悪化していない患者(低用量/維持レベルの臓器サポートを受けている患者やサポートが減少している患者)では、15~20 kcal/kgおよび0.8~1.0 g/kgのタンパク質まで漸増的な摂取を推奨。
  3. 7日目以降:
    注意深く20~25 kcal/kgおよび1.0~1.2 g/kgのタンパク質を提供する。ただし、7日目以降の用量に関するデータは不足している。

代謝状態と栄養開始準備の慎重な監視:
以下の条件ではエネルギー用量の削減を推奨する:

  • 栄養提供開始から72時間以内にリン酸値が下がった場合。
  • 血糖値が適切なインスリン治療にもかかわらず約180 mg/dLを超えた場合。
  • 急性重度高トリグリセリド血症(400mg/dL以上)が発生した場合。

また、以下の条件ではタンパク質用量の削減を推奨する:

  • クレアチニン値が安定している一方で、BUNが基準値の2倍に増加した場合。
  • 急性腎障害と診断され、腎代替療法が計画されていない場合は、タンパク質用量を最大0.8 g/kg/日までに調整する

ICU滞在日数に関係なく、新たな急性悪化(例: 昇圧剤の使用量や種類の増加、または臓器不全状態の悪化)が発生した場合、エネルギーおよびタンパク質の提供量を 1日あたり5~10 kcal/kgまたは0.2~0.6 g/kg に削減する。また、総エネルギー量を監視する際には、プロポフォール、ブドウ糖、クエン酸抗凝固剤などの栄養以外のエネルギー源を考慮することが重要である。

Suggested algorithm for nutrition support in critically ill patients. aNote: these are patients who are already resuscitated with shock under control and acceptable tissue perfusion. bWe acknowledge that the ‘day approach’ shown in the figure may not adequately reflect the phases of illness and should rather illustrate a step-wise evaluation over each 24 h whilst the patient is in the intensive care unit. cFor instance, standard commercialized parenteral nutrition bags do not contain micronutrients
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